ある日の午後


「なぁ、なぁ、デュエルしようぜ、エド」
「うるさい」

ぴしゃりと言い放つと、一時は黙る。しかし、五分も経たないうちに再びこのやり取りが始まるのだ。

「……わかったよ後にする」
「…そうしてくれ」

そうして僕はまた読書に耽ろうとする。本を読むのは好きだ。既にプロである自分にとって、決闘以外の知識を得る最も簡単な手段であるし、何より長距離移動の多いこの仕事のパートナーにはちょうど良い。
だけれど、いつ読み終わるのかいつデュエルが出来るのか楽しみだ楽しみで仕方ない、と言うような視線が突き刺さっているように思える。実際キラキラした瞳で僕の背中を見てるんだろう?なあ十代。

眼は口ほどに物を言う、と言うが、ついでにそのような状態になってしまった場合の対処方も是非教えて欲しい。

ああ、集中できない。

「十代」
「おっ読み終わったか?」
「まだだけど…」
「そっか…」
「まだだけど、いいよ、僕とデュエルしたいんだろう?」

人の寝台でカードと睨めっこしていた十代が瞳を輝かせる。

「いいのか?」
「ああ、だが、僕とデュエルするからには中途半端な勝負じゃ許さない。」

僕はこれで稼いでいるんだ。本来ならマネーが発生するんだよ、十代。だけれど、こうして僕が読み掛けのパートナーを差し置いて決闘してやってるんだ。

「ああ、勿論!楽しいデュエルにしような!」
「ああ」

感謝してほしいくらいだが、実際彼とのデュエルを僕が心底楽しんでしまっているので、そんなことは言えない。

「E-HEROネオスとグロー・モスをコンタクト融合!現れろ!グロー・ネオス!」
「…っ」

結局、こうして負けたりもするし。本当に、本当に楽しいのだけど、納得行かない。

「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」

納得行かない。

どうして自分はデュエル以外に取り柄も知識もない、こんな実戦バカを好きになってしまったのか。

「…納得行くものか」
「負け惜しみか〜?」

ちゃかす十代に「違う」とだけ答えて、再戦を申し込むべくカードを切った。

そんな、ある日の午後。




end

携帯サイトから移植。
エドは十代に対しては極度のツンデレだと良い(妄想)



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